使用者には労働者の安全に配慮する義務があります。(労働安全衛生法第3条 )
それに基づいて健康診断等も定められています。ですから、もしも事業主が関係法令の基準を守っていないために仕事中に事故がおきたのであれば、労働者は損害賠償を請求することもできます。
労働者が業務上でけがをしたりした場合に医療や生活を保証する制度として『労働者災害補償保険制度』があります。労働者を雇用する事業主は全員強制加入しなければなりません。保険料は事業主負担で労働者からの徴収はありません。
業務上の災害と認められればこの保険制度から療養費、休業の間の賃金補償などがされます。
1.業務上災害の認定
業務上の災害の認定は2つの類型に分けられます。
[1]事業主の支配・管理下で業務に従事している場合
労働者が、担当の仕事をしている場合、事業主からの特命業務に従事している場合、担当業務を行う上で必要な行為、作業中の用便、飲水等の生理的行為を行っている場合などです。
[2]事業主の支配下にあるが、管理下を離れて業務に従事している場合。
出張や社用での外出、運送、配達、営業などのため事業場の外で仕事をする場合、事業場外の就業場所への往復、食事、用便など事業場外での業務に付随する行為を行う場合などです。
2.職業病の労災認定
労働災害の中には腰痛やけいけいわん症候群等のように働きつづけるうちに徐々に健康が損なわれていくものがあります。いわゆる職業病です。職業病の労災認定は業務との関連を立証するのが難しいため組合や専門家などに相談しましょう。
3.過労死・自殺の労災認定
厚生労働省は
[1]異常な出来事に「遭遇したこと
[2]
日常業務に比較して特に過重な業務であったこと
等が認められたときには「業務に起因することが明かな疾病」に該当するとして労災保険の適用を認めるケースも出てきています。しかし。事業主の協力を得ることが難しいことも多く組合や専門家などに相談しましょう。