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第13回ベストショットコンクール入選作品集


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【最優秀賞】
佐藤 一衛
(東京清掃労組)
『春の訪れ』

【一般部門賞】
竹田 好明
(北区職労)
『ぼくたちの一休み』

【一般部門佳作】
染 裕之
(東京清掃労組)
『勝利の凱歌』

【一般部門入選】
鈴木 節子
(荒川区職労)
『おしゃまさん』

【一般部門入選】
田中 さゆり
(荒川区職労)
『至福』

【ネーチャー部門賞】
藤ノ木 尚子
(江戸川区職労)
『春よ来い』

【ネーチャー部門佳作】
田口 幸夫
(荒川区職労)
『力くらべ』

【ネーチャー部門佳作】
江口 直美
(大田区職労)
『猫島のネコ達』

【ネーチャー部門入選】
松島 和宏
(中野区職労)
『春の日差し』



自治労東京第13回ベストショットコンクール選評

 自治労東京第13回ベストショットコンクールの審査を11月17日に行った。35人90点の応募があった。
 選考方法の手順は、(1)ピントや、カメラぶれなど慎重に審査。(2)色、構図、プリントの出来具合などを選考し最優秀賞、部門賞などを決める。
 「ピントやカメラぶれ」で、応募された作品から約半分の作品が選考対象から漏れる。応募するまえに作品を他の人に見てもらうというのも一つの方法だ。撮影した時の思い入れが強く「まあ、これくらいなら良いかも」等の判断をしがち。最初の選考対象から漏れたのでは残念だ。
 プリントの際の注意として、写真を大きく見せようと「縁なしプリント」をしたため「大事な部分が切れてしまった」と思われる作品があった。
 また、パソコンで調整する場合、調整撮影したときの状況を良く思い出しながら、色、彩度、コントラスト、シャープネス等、慎重に行って欲しい。この作業が「写真を撮影した時よりも大事な部分」といえる。「調整しすぎる」と撮影時とかなり違う作品が出来てしまうという結果になるが、案外こういう作品が、見た目は「綺麗で結構、良い作品」と思いがちになる。
 選考する側は一つの作品を冷静に見るので、これは「やりすぎ」という結果になってしまう。以上のことを参考にして、来年度も多数の応募をお願いする。

■優秀作品の評価
 最優秀賞に選ばれた佐藤さんの「春の訪れ」は、小さな片栗をローアングルから狙って画面構成し、花のバランスを考えながら背景のボケも意識し、花が浮き立つように撮られている。花の気品さえ感じさせる作品であるが、時期や花選びも含め実は簡単なようで難しい。こうしたアップの写真はレンズのシャープさだけでなくボケ味も作品の質を決める。最近のズームレンズのボケ味も良くなっているが短焦点レンズの良さもあり、社外品レンズメーカーにも名レンズがある。そうした自分好みのレンズを見つけるのも写真の楽しみである。
 一般部門賞・竹田さんの「ぼくたちの一休み」は楽しそうな2人の表情が良く、大人が立ち入れない子どもの世界を捉えている。逆光で難しい条件であるが、背景の境内が分かる程度に暗く落ち、子どもに当たった太陽のハイライトが生きている。それは下の石畳が丁度レフ板の役割を果たし、顔がつぶれるのとバックとの明暗比率が大きくなりすぎるのを防いでいる。こうした綺麗な光の条件を感じるのも大切な事だ。
 ネーチャー部門賞・藤ノ木さんの「春よ来い」は、メジロのポーズが決まりすぎて動く気配も感じないのだが、きっとチャンスを待って撮られたと思われる。真っ青な空とピンクの美しいボケの扱いや構成などに細やかな配慮を感じる。ピントもすこぶるシャープで気持ちが良い。

■ネーチャー部門
 最近は露出もピントもオートで撮れるが、同じ明るさでも絞りとシャッターの組み合わせでどう違うのか、被写界深度やボケ具合のコントロールは基本として学んでおく事が大切。三脚を使ってじっくり狙うケースも多い部門と思われるが、プログラムモードだけでなく、絞り優先やマニュアルモードなども積極的に試し、それらの変化を体で覚えると良い。自分好みの「適正露出」など、そうしたシャッターチャンス以前に知っておくと良いことが沢山ある。
 入賞した作品と落選した作品を見ると、その差は少ないのであるがアングルの選択や画面構成などを含め、そんな基本的な事を考えさせられる。ネーチャーと言っても大変幅が広い。
 共通しているのは対象物に関する知識がある程度は必要な事と、季節や光、最良の時を待つ努力や発見する力を磨くことと思われる。身近なペットや草花を狙うのであれば良く知っている対象物として撮りやすいと思う。

■一般部門
 最優秀賞と各部門賞との差は僅差だった。
 題材を目の前にして「ただ撮りました」という写真でなく「考えて撮った」写真が選ばれた。スナップ系ではその前後何コマかが費やされることになるが、連写でなく自身の作画意図を感じさせる場面でのシャッターONが伝わってきた。
 デジカメが主流となり、色彩の加工し過ぎや悪すぎ(どうするとそうなるの?)はコンテストでは即除外されるので、注意を!(プリントをお店に依頼するのも良いかも)またネーチャー写真と違って三脚を使用することが少ないため、手ブレしやすくなる。撮影時のビューファインダー使用は控えて欲しい。
 出品候補作をA4か六切サイズにプリントし自分でチェックして選ぶことも重要。身近な題材も多く見られたが、職場や仕事にも新しい発見や隠れた題材があると思う。生きる力を表現した作品を待っている。

 
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